当サイトの記事は編集部が観光庁・日本政府観光局(JNTO)など公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に資格講座・オンライン英会話への案内(広告)を含みます。

外国人旅行者を案内する仕事に興味が出てきたけれど、何から調べればいいのか分からない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、通訳案内士は「外国語で日本を案内するための国家資格」で、試験に合格して都道府県に登録すると名乗れるようになります。

通訳案内士ドットコムは、観光庁やJNTO(日本政府観光局)の公式サイトではありません。公開されている公式情報をもとに、編集部が第三者の立場でまとめている情報サイトです。

このページを読むと、資格・試験・勉強・登録・仕事の全体がつかめて、次に読む記事が決まります。

通訳案内士とは?特徴を早見表で

先に結論

通訳案内士とは、報酬を得て外国人に付き添い、外国語で旅行の案内をする人のことです。国の制度には「全国通訳案内士」と「地域通訳案内士」の2種類があります。

『通訳ガイドと何が違うの?』と思った方もいるかもしれませんね。

日常会話ではほぼ同じ仕事を指しますが、法律で決まっている名前は「全国通訳案内士」と「地域通訳案内士」の2つなんです。

項目全国通訳案内士地域通訳案内士
根拠になる法律通訳案内士法通訳案内士法
なり方全国通訳案内士試験に合格し、住んでいる都道府県で登録自治体が行う研修を受けて登録
活動できる範囲全国登録を受けた地域の中
外国語試験の10言語から選ぶ地域の特性に合わせて設定
定期的な研修5年ごとの通訳案内研修が義務法律上の義務はない
交付されるもの全国通訳案内士登録証地域通訳案内士登録証

制度の基本は通訳案内士とは?仕事内容と2種類の違いで、全国の資格の位置づけは全国通訳案内士とはでくわしく読めます。

2018年の法改正で「名前」が大事になった

実は、通訳案内士の制度は2018年1月4日に施行された法改正で大きく変わりました。

それまでは資格者だけが有償で案内できる業務独占でしたが、改正後は資格がなくても有償で案内できます。そのかわり、資格の名前を使えるのは資格者だけ、という名称独占が残りました。

観光庁は、資格のない人が使えない名前の例として「通訳ガイド」「認定ガイド」「国家ガイド」などを挙げています。くわしくは資格なしでガイドをする時の名称のルールを見てみてください。

地域通訳案内士という選び方もある

観光庁の資料では、令和8年4月1日時点で地域通訳案内士は43地域に導入され、育成人数は4,260名です。

住んでいる地域を深く案内したい方は、地域通訳案内士とはもあわせて読んでおくと、選べる道が広がりますよ。

試験の科目と合格基準

先に結論

全国通訳案内士試験は、筆記(1次)と口述(2次)の2段階です。筆記は5科目すべてが合格基準点に届く必要があり、口述は合格基準点が原則7割です。

試験は観光庁長官が行う国家試験で、JNTOが試験事務を代行して年に1回実施しています。年齢・性別・学歴・国籍に関係なく、だれでも受けられるんです。

科目時間満点合格基準点(原則)出題の中身
外国語90分100点70点読解・外国語文和訳・和文外国語訳・外国語での説明
日本地理30分100点70点30問程度、地図や写真を使った問題も
日本歴史30分100点70点30問程度、地図や写真を使った問題も
一般常識20分50点30点20問程度、観光白書や時事問題
通訳案内の実務20分50点30点20問程度、通訳ガイドテキストが範囲
全国通訳案内士試験の筆記5科目と口述試験の合格基準をまとめた図解

筆記は全科目がマークシート方式です。科目ごとに基準点があり、1科目でも届かないと筆記は不合格になります。

ここが大事なところです。合計点で取り返すことはできないので、苦手な科目を作らない勉強が要るんですね。

科目ごとの出題形式は筆記試験(1次試験)の5科目で、試験全体の流れは全国通訳案内士試験とはで確かめられます。

口述試験は「案内の場面」を想定した10分

口述試験は10分程度で、選んだ外国語で行われます。

1題目は、読み上げられた日本語を外国語に訳し、関連した質疑に答える問題です。2題目は、示される3つのテーマから1つを選んで外国語で説明し、質疑応答をするプレゼンテーション問題です。

評価項目はプレゼンテーション、コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声、ホスピタリティの5つ。流れは二次試験(口述試験)とはでくわしく紹介しています。

合格率はJNTOの公表値で見る

『どのくらい受かるものなの?』という点も気になりますよね。JNTOの公表値は次のとおりです。

年度受験者数第1次合格率第2次合格率最終合格者数最終合格率
2025年度3,98727.6%50.3%58514.7%
2024年度3,84918.0%52.6%38510.0%
2023年度3,63822.7%48.4%43612.0%

年度によって幅があるので、1つの数字だけで難しさを決めつけないほうが安心です。言語別の結果は合格率と合格基準で見られます。

申し込みと1年のスケジュール

先に結論

申し込みはJNTOのマイページからの電子申請だけです。印刷物の願書は配られていないので、願書申請期間を逃さないことがいちばん大切です。

『申し込みは書類を郵送するの?』と思う方もいますが、2021年度から完全に電子申請になっています。受験票も結果通知も合格証書も、すべてマイページで受け取る形です。

時期(2026年度の施行要領)試験の動き
6月1日〜7月9日願書申請期間(電子申請)
8月16日(日)筆記試験
9月25日(金)予定筆記試験の結果通知
11月29日(日)口述試験
2027年1月22日(金)予定最終結果(官報とマイページ)

翌年度の日程は、毎年JNTOが施行要領で公表します。受ける年度の施行要領で確かめておきましょう。

よくある失敗

受験手数料の支払いが期限までに終わっていないと、願書は無効になります。願書が承認されたあとは、選んだ外国語・受験地・免除申請の変更や追加もできません。

受験手数料は一カ国語ごとにかかり、免除があっても減額されません。金額は施行要領で確かめてみてください。

電子申請の手順は申し込み方法と日程で、筆記の受験地や会場の知らされ方もまとめています。

免除制度で受ける科目を減らす

先に結論

持っている資格や前年度の結果によって、筆記の一部の科目が免除になります。ただし自動では免除にならず、願書申請期間内に毎年あらためて申請が要ります。

実は、通訳案内士試験は免除の仕組みがかなり細かく決まっているんです。主なものを表にしてみます。

科目免除になる主な資格・試験(2026年度の施行要領)
英語実用英語技能検定1級、TOEIC公開テストの一定の点数
中国語中国語検定試験1級、HSK6級180点以上など
韓国語「ハングル」能力検定試験1級、TOPIK6級
日本地理総合旅行業務取扱管理者・国内旅行業務取扱管理者の試験合格
日本歴史歴史能力検定 日本史1級または日本史2級など
一般常識大学入学共通テスト「現代社会」または「旧現代社会」80点以上
通訳案内の実務ほかの試験による免除はなし

例えば英検1級を持っている方なら、外国語の筆記は受けずにすみます。その分、日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務に時間を回せますね。

免除を使う前に確かめたいこと
  • 自分の資格が、受ける年度の施行要領の対象になっているか
  • TOEICなど有効期限がある資格は、期限内の得点か
  • 合格証明書などを、願書申請期間内にアップロードできるか
  • 前年度に合格した科目を、今年も申請し忘れていないか

前年度の筆記で合格した科目は、次の年度に限って免除を申請できます。筆記5科目すべてに合格していれば、翌年は口述から受けられます。

『地理検定でも免除になる?』という声もありますが、日本地理の免除は旅行業務取扱管理者の試験合格です。言語ごと・科目ごとの一覧は免除制度の一覧で確かめてみてください。

勉強の進め方と講座の選び方

先に結論

最初に過去問を1回分解いて、今の自分と合格基準点との距離を測るのが近道です。そのうえで、独学で進めるか、講座やオンライン英会話を使うかを決めていきます。

『まず何のテキストを買えばいいの?』と迷う方も多いはずです。

ただ、JNTOは参考書や教科書を販売していません。そのかわり、過去の筆記試験問題の一部を解答例つきでウェブサイトに公開しています。

勉強を始めるまでの流れ
  1. 受ける年度の施行要領で、科目と日程を確かめる
  2. 持っている資格で免除になる科目がないかを調べる
  3. JNTOの過去問ページで、最新年度の日本地理を1回分解いてみる
  4. 合格基準点に届かない科目を書き出し、勉強の順番を決める
  5. 試験日から逆算して、週ごとの計画に落とす
  6. 筆記の勉強と並行して、外国語で話す練習を少しずつ始める
過去問で今の力を測ってから、試験日から逆算して計画を立てる勉強の流れの図解

勉強法の全体は独学で合格を目指す計画の立て方、過去問の使い方は過去問の使い方で順番に読めます。

科目ごとに「どう覚えるか」が違う

日本地理や日本歴史は、外国人旅行者の関心が強い観光資源に関わる事柄が出題の考え方です。教科書を頭から覚えるより、有名な観光地と結びつけて覚えるほうが進めやすいですよ。

一般常識は、前年度に発行された観光白書や新聞の1面で大きく扱われた時事問題がポイントになります。通訳案内の実務は、観光庁が令和7年に発行した「通訳ガイドテキスト(初版)」が原則の試験範囲です。

科目別の進め方は日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の記事にまとめています。

独学で進めるか、講座や英会話を使うか

独学でも、講座を使っても、合格を目指すことはできます。どちらが正解ということはなく、使える時間と苦手な科目で選べば大丈夫です。

例えばこんな時は、講座やオンライン英会話を使うと進めやすくなります。

こんな状況役立ちやすい学び方
口述試験で話す相手がいないオンライン英会話で聞き手を作る
和文外国語訳を添削してほしい添削がある通信講座・通学講座
働きながらで勉強時間が限られる教材の順番に沿って進める通信講座
何から始めるか決められないカリキュラムがある講座で道筋をもらう
計画を自分で立てて続けられる過去問と公開資料での独学

「講座って、どこまで面倒を見てくれるんですか?」

「対応する科目や添削の回数は講座ごとに違うので、資料で同じ項目を比べてみるのがおすすめです」

講座の選び方は講座・予備校の選び方、話す練習はオンライン英会話の使い方、独学との比べ方は独学で合格できる?で読めます。

勉強の進め方に迷ったら、講座やオンライン英会話を比べてみるのも一つの方法です。

通訳案内士ドットコム

独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか

和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

働きながら目指す方は、試験日から逆算する学習スケジュールも参考にしてみてください。

合格から登録・研修までの流れ

先に結論

最終合格しただけでは「全国通訳案内士」とは名乗れません。住んでいる都道府県の知事に登録を申請し、登録証を受け取ってから名乗れるようになります。

『合格したらもう資格者なんでしょ?』と思うかもしれません。実は、合格と登録は別の手続きなんです。

合格後の流れ
  1. マイページで最終合格の結果と合格証書を受け取る
  2. 住んでいる都道府県の担当課で、登録の窓口と必要書類を確かめる
  3. 登録を申請し、全国通訳案内士登録証の交付を受ける
  4. 5年ごとに、登録研修機関の通訳案内研修を受ける

登録に期限はありません。手数料や必要書類は都道府県ごとに違うので、お住まいの都道府県のページで確かめておきましょう。

京都府のように、登録事務を関西広域連合に移している府県もあります。手続きの細かな流れは登録手続き、合格から登録までの道のりは通訳案内士になるにはで見られます。

5年ごとの通訳案内研修を忘れずに

全国通訳案内士は、5年に1度、観光庁が登録した研修機関の通訳案内研修を受ける義務があります。受けないままだと、都道府県が登録を取り消すことができるんです。

ここに注意

登録を取り消されると、取消しから2年間は再登録できません。前回の受講日から5年を超えない時期を、手帳に書いておくと安心です。

研修のしくみは通訳案内研修とは、新人研修会を開いている団体については通訳案内士の団体で紹介しています。

仕事の探し方と働き方

先に結論

通訳案内士の仕事は、案件ごとに依頼を受ける形が中心です。資格を取れば自動的に仕事が来るわけではないので、合格後に自分でルートを作っていきます。

観光庁の「通訳ガイドテキスト(初版)」では、仕事を得る主なルートが次の4つ挙げられています。

ルート依頼の来どころ
旅行会社主催のガイドツアー旅行会社が企画したツアー
旅行会社経由旅行会社からの個別の案件
訪日外国人旅行者からの直接依頼旅行者本人
ガイド仲間による紹介・ホテルコンシェルジュからの依頼同業者やホテル

同じテキストには、2024年の訪日外国人旅行者数が過去最高の3,687万人だったことも書かれています。

ルートごとの始め方は仕事の探し方、ツアーの1日の動きは通訳案内士の仕事内容で読めます。語学力以外にどんな力が要るかは通訳案内士に向いている人が参考になりますよ。

言語ごとの情報も見ておこう

試験の外国語は、英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・タイ語の10言語です。二カ国語での受験もできます。

口述試験の受験地は、英語・中国語・韓国語なら東京近郊・大阪近郊・福岡市、それ以外の言語は東京近郊のみです。言語の選び方は外国語10言語、英語の試験は通訳案内士の英語試験で確かめてみてください。

目的別に記事を探す

使い方

読みたいテーマのカテゴリから、気になる記事を開いてみてください。迷ったら「基礎知識」と「試験」から読むと全体がつかみやすいですよ。

試験(7本)

基礎知識(6本)

勉強法(5本)

言語別(4本)

仕事と働き方(4本)

科目別対策(4本)

講座・英会話(3本)

地域通訳案内士(2本)

登録と研修(2本)

公式・公的な情報

先に結論

制度や試験の最新情報は、観光庁とJNTOの公式ページで確かめるのがいちばん確実です。ブックマークしておくと、あとで探さずにすみます。

登録の窓口は、住んでいる都道府県の担当課です。都道府県のウェブサイトで「通訳案内士」と検索すると、手続きのページが見つかりますよ。

よくある質問

通訳案内士の試験はだれでも受けられますか?

受けられます。JNTOの施行要領では、年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、だれでも受験できるとされています。

資格がないと、外国人を有償で案内できませんか?

2018年1月4日施行の法改正で業務独占がなくなり、資格がなくても有償で案内できるようになりました。ただし「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」や似た名前は使えません。

英検1級を持っていれば、試験は受けなくていいですか?

英検1級で免除になるのは英語の筆記だけです。日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務と口述試験は受ける必要があります。

筆記に合格して口述で落ちたら、翌年はどうなりますか?

前年度に筆記5科目すべてに合格していれば、翌年は筆記試験全体の免除を申請して口述から受けられます。自動では免除にならないので、願書申請期間内に申請しておきましょう。

合格すればすぐに全国通訳案内士と名乗れますか?

合格だけでは名乗れません。住んでいる都道府県の知事に登録を申請し、全国通訳案内士登録証の交付を受けてから名乗れます。

まとめ

このページの要点
  • 通訳案内士は、報酬を得て外国人に付き添い、外国語で旅行を案内する人のこと
  • 国の制度は全国通訳案内士と地域通訳案内士の2種類
  • 試験は筆記5科目と口述の2段階で、筆記は全科目が基準点に届く必要がある
  • 英検1級や歴史能力検定などで、一部の科目が免除になる
  • 合格後は都道府県で登録し、5年ごとに通訳案内研修を受ける
  • 最初の一歩は、施行要領と過去問を見ること
通訳案内士ドットコム

通訳案内士ドットコム 編集部

通訳案内士の仕事と資格の仕組み、全国通訳案内士試験の科目・日程・免除制度、勉強法、登録と研修、講座の選び方までを整理している通訳案内士の情報サイトです。 公式サイト